国際線CAに聞いてみた、幸せのレイアウト術

vol.3

CAのキレイの秘訣〜暮らしのアイテム編〜
「心も身体もキレイにするアイテムの選び方」


こんにちは、大塚家具の原田ひとみです。私たち大塚家具は現在、「幸せをレイアウトしよう」を企業スローガンとして掲げています。
キャビンアテンダントの方は世界各国のインテリアはもちろん、衣食住にも精通し、その中で自分らしいライフスタイルを選択し、実践しています。
その生き方はまさに、「幸せのレイアウト」を体現していると言えます。そんなキャビンアテンダントの方から、さまざまなお話を伺っていく本連載。

第3回の今回は、スイスの航空会社に勤務し、日本とスイスの両方で生活をおくる野崎若菜さんに、「日々を豊かにするための、家具や小物の選び方」について伺いました。

  • スイス人と日本人が似ているのは、他国の文化を取り入れるのが上手な点!
  • スイスでは景色が絵の代わり?
  • 手作りのアイテムを取り入れることで“温もり”ある空間を演出!
  • スイス流の家具選びは、「いいものを選んで長く使う」!
  • 健康で美しくあるための秘訣は、家にアリ!

Lesson.1

スイス人と日本人が似ているのは、
他国の文化を取り入れるのが上手な点!

野崎さん

原田 野崎さんは、どれくらいの頻度で日本とスイスを行き来されているのですか? また、なぜキャビンアテンダントになろうと思われたのかを教えてください。

野崎生活の拠点は日本に置きながら、週に1度はフライトがあるので、だいたい1年の半分はスイスにいますね。キャビンアテンダントになろうと思った理由は、大学時代に経験したアメリカ留学をきっかけに、海外に興味を持つようになったからです。CAであれば、さまざまな文化に触れられると思い、この職業を選びました。
最初に入社したのは、香港系の航空会社でした。そこで世界各国を飛び回る中で、次第にヨーロッパの文化に魅かれていき、スイスと日本を行き来する、現在のヨーロッパ系の航空会社に転職したんです。

原田 具体的に、ヨーロッパのどのような部分に魅力を感じたのですか?

野崎 ヨーロッパにいると、時間がゆっくりと流れているように感じるんです。それはきっと、ヨーロッパの方々は、時間や空間を楽しもうとする気持ちが強いからだと思います。

原田 それはスイスの方も同じですか?

野崎 そうですね。文化や歴史、モノひとつにしても、スイスの方々はとても大切にします。その辺りは、ヨーロッパの日本、と言われるだけあって、日本と似ているところかもしれません。家具もひとつひとつ長く使い続けたり、とても大事に扱っていて、そうした姿勢にスイスの方の豊かさを感じます。

原田 スイスと日本は似ているのですか?

野崎 はい。スイスも日本も、外の文化を取り入れるのが上手です。スイスは他の国に囲まれているのですが、他国の文化を、上手に自国の文化と融合させている印象があります。そして日本同様、自国に誇りを持っていて、愛国心が強いんです。だから地域ごとにメインで使う言語は異なっていても(地域によって、ドイツ語・フランス語・イタリア語・英語とメインの言語が異なる)、スイスはひとつの国、という意識を誰もが持っています。

Lesson.2

スイスでは景色が絵の代わり?

原田そうなのですね。たしかに私も、スイスの方はどの地域の方も4か国語くらいは普通に話すと聞いたことがあります。それだけでも驚きですが、さらに生活水準(教育なども含めて)が、非常に高いことでもスイスは知られています。似ている部分もあるという、日本とスイスですが、逆にどんな点に違いを感じますか?

野崎 気候が違うので、インテリアはまるで違いますね。スイスは雪の日が多いので、暖炉がどこの家にでもあります。家の窓は大きく、さらにどの家庭にも、必ずといっていいほどテラスがあります。夏は湿度もなく、過ごしやすい日が多いので、大きな窓から外の空気を家の中に取り込むと、とても気持ちがいいんです。また夏は、テラスでバーベキューを楽しむ家庭も多いですね。だから大きな窓とテラスは、スイスの夏を目いっぱい楽しむために、必要不可欠なものなんです。それにスイスの方は、太陽とともに起きる生活をしていますから、大きな窓は、太陽の光をできるだけ家の中に取り入れる工夫、とも言えるかもしれません。

家の中からテラスを望む テラスでフォンデュ トランポリン

原田 自然と暮らすなんて、とても素敵なライフスタイルですね。広いテラスでバーベキューは憧れです。

野崎 都会で暮らしていると、憧れますよね。自然豊かな環境ということもあってか、スイスの家では絵を飾っている家はあまりありません。東京とは違い、窓を開ければ広大な自然が広がっていますから、景色を絵の代わりに楽しんでいるのかもしれません。

原田 絵を飾っているお宅が少ないというのは、驚きです。それでいて、味気なさを感じさせないインテリアには、学ぶところがあります。外のお庭も広そうですね。

野崎 はい。子ども用にブランコやトランポリンが置いてあったり、庭に畑があって、そこで育てた果物を使った自家製ジャムを作る家庭も多いです。

原田 聞けば聞くほど、スイスの方は心豊かな日々を送っているのですね。

Lesson.3

手作りのアイテムを取り入れることで“温もり”ある空間を演出!

原田 そんな豊かな日々を送るスイスの方は、どんな点にこだわって、家具や小物を選び、家の空間を演出しているのですか?

野崎 スイスの方は、時間や空間を楽しむ、ということに重きを置いている印象があります。家の中はシンプルで、厳選されたアイテムや、お気に入りのものだけを置いています。たとえばそれは、「自分を温かな気持ちにしてくれるもの」や「思い入れ、想い出があるもの」です。既製品のアイテムもありますが、手作りのものも多いですね。たとえば、スイスにある私の親戚の家には、手作りの木馬や、柄の部分を自分でデコレートしたペーパーナイフなどが置いてあります。他にも、子供たちが工房や学校で作ったキャンドルやキャンドルホルダーも飾ってあります。家具やアイテムだけでなく、手作りした食品も多く、ラズベリーの自家製ジャムや自家製グラッパなどもキッチンに飾ってあります。そうした“ぬくもり”のあるアイテムを多く家に置くことで、家の中の雰囲気も自然と温かくなっているのだと思います。

原田 家族みんなで作り上げたインテリアという感じですね。一人一人を大切にされていることがよく分かります。手作りの小物を取り入れることで、温もりのある空間を演出しているのですね。

野崎 そうですね。

手作りジャム 手作りグラッパ 子供の手作りコースター

Lesson.4

スイス流の家具選びは、「いいものを選んで長く使う」!

原田 その他にスイスの方が家具選びの際に重視される点はありますか?

野崎 家具は、素材や作りにこだわった“いいもの”を長く使う家庭が多いですね。安いものを買って駄目になったら買い替える、という発想はあまりありません。どの家庭にも、家族や知人から受け継いだ家具がひとつはあります。私の従妹の家でも、祖父母の代から磨いては削ってを繰り返して、大事に受け継がれてきた木製のテーブルがあります。他にも、従姉の家にある暖炉は、元々は祖父の手作りで、そこにガラスを後から追加したものです。そうやってスイスでは、古くからあるものを家庭内でリユースしながら、大切に使っているんです。それにスイスの方は、昔から使っている家具と新しい家具を、文化同様、上手に融合させてレイアウトするのがとても上手です。現在では安い家具も市場には出回っていますが、やはり、「少し値が張っても、いいものを選んで長く使いたい」というマインドの人が多いですね。それは、未来の家族のことを思っているからです。だから自然と長く使えるものを選ぶんです。そうして受け継がれた家具には、思いも受け継がれていますから、自然と家に温もりが生まれます。

原田 未来の家族のことを思って長く使えるものを選ぶという考えには、とても共感します。私どもが、良い家具を使い継いでいけるよう、リユース事業をはじめたのも同じ価値観からです。スイスの方は家族の愛が詰まったあたたかみのあるものを大切に使い続けることで、家という空間だけでなく、家族の心も豊かにしているのでしょうね。

野崎 そうですね。そうしたこだわりが、スイスの方の豊かさを作っているのだと思います。

Lesson.5

健康で美しくあるための秘訣は、家にアリ!

野崎さんと原田さん

原田 野崎さん自身も、そうしたスイスの方の暮らしに影響を受けた部分はありますか?

野崎 非常にありますね。いま住んでいる家は、スイス流のインテリアです。無駄がなく、とてもシンプルです。色調も白とベージュを基調にした、ベーシックな空間作りを意識していて、そこにお花などの植物で色を加えてアクセントにしています。家具の選び方も大きく変わりました。スイスの方の考え方に共鳴し、自分の家も温もりのある空間にしたいと考え、木製の家具に買い替えたんです。結果、より家でリラックスできるようになりましたし、買い替えて正解だったなと思っています。これからも家具は、少し高くてもいいものを、温かみのあるものを、という視点で選んでいきたいです。

原田 当社でもスイス製のソファなどを扱っていますが、おっしゃるように素材や造りにこだわった、飽きのこないデザインのものが多いです。お気に入りのものに囲まれるだけで、気分が上がったり、リラックスできますよね。

野崎 そうですね。家の中をゆっくりとリラックスできる空間にしたことで、心にもゆとりができ、現在は仕事もプライベートも、充実している感覚があります。やはり家は、自分のエネルギーのベースだと思うんです。こだわりの家具や小物に囲まれた家に暮らし、やすらぎのある空間でゆっくりと活力を養って充電すれば、心も身体も自然とキレイになるものです。それが、いつまでも健康で美しくあるための秘訣だと私は思います。

原田 家にいる時間は長いですから、どんな空間を作るかで、日々の充実度もまるで違いますよね。きっと読者の方も“スイスの方のこだわり”に共感されると思います。本日は素敵なお話をたくさん聞かせていただき、本当にありがとうございました。

野崎 こちらこそ、ありがとうございました。

Guest

  野崎若菜

Profile

野崎若菜(のざき・わかな)

大学卒業後、アジア系航空会社を経てスイスの航空会社に入社。現在、乗務歴11年目。趣味は旅行、マラソン、ヨガ。旅行も兼ねて国内のフルマラソンに挑戦したり、海外のヨガクラスを回り、体を動かすことでリフレッシュしている。

Interviewer

 

Profile

株式会社大塚家具
原田ひとみ(はらだ・ひとみ) 
インテリアコーディネーター / IDCインテリアスタイリスト

ショールームでのコンサルティング営業を経て、 社員の研修・教育に関する業務に携わる。
現在は営業企画部にてマーケティング、営業企画などを担当。

 

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CAの街角レポート「家具も人も、優しいフィンランド」

次回は、海外を拠点に活動するCAの「街角レポート」です。
海外を飛び回るCAが見つけた、素敵な街角の風景。
そこには、その国の暮らしや文化、幸せの意識の違いがさまざまな形で
映し出されていました。次回の更新をお楽しみに。

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