国際線CAに聞いてみた、幸せのレイアウト術

vol.5

CAのお部屋公開
「フランス流を取り入れたアレンジ術」


こんにちは。大塚家具の原田ひとみです。私たち大塚家具は現在、「幸せをレイアウトしよう」を企業スローガンとして掲げています。 キャビンアテンダントの方は世界各国のインテリアはもちろん、衣食住にも精通し、その中で自分らしいライフスタイルを選択し、実践しています。 その生き方はまさに、「幸せのレイアウト」を体現していると言えます。そんなキャビンアテンダントの方から、さまざまなお話を伺っていく本連載。

第5回の今回は、フランスの航空会社に勤務し、「フランス流のアレンジ術を取り入れている」と語る横山綾乃さんに、ご自身の部屋をご紹介いただきながら、部屋への“こだわり”を伺いました。

  • 個性を追求するフランスらしさは、制服にも!
  • 身の回りにあるものを上手に活用するのがフランス流!
  • 「フォーカルポイント」で季節感を演出!
  • フランス流の家具の選び方を知り、家具への興味も高まった!

Lesson.1

個性を追求するフランスらしさは、制服にも!

原田 横山さんは、どれくらいの頻度で日本とフランスを行き来されているのですか? また、なぜキャビンアテンダントになろうと思ったのか教えてください。

横山 月に3回ほどのペースで日本とフランスを往復しています。現在の拠点はフランスで、月の半分以上はフランスにいます。CAになった理由は、私ができることで、誰かを笑顔にしたり、役に立てることに喜びを感じられると思ったからです。

原田 フランスの航空会社に勤務されていますが、フランスへの憧れはあったのですか?

横山 ありましたね。高校生のときに聞いたフランス語の曲がとても素敵で、「こんな魅力的なメロディーが生まれる国は、一体どんなところなのだろう」と思ったんです。以来、フランスへの憧れが心にずっとありました。それは日増しに強くなり、大学生のときに2ヶ月、社会人になってからも、一社目の航空会社の留学制度を利用して、10ヶ月間フランスに滞在しました。

原田 素敵なエピソードですね。その憧れはずっと消えることなく、日系の航空会社から、フランスの航空会社へ転職されたのですね。

横山 そうですね。

原田 実際、転職されてみて、日系の航空会社とフランスの航空会社では、どのような違いを感じましたか?

横山 私がいるフランスの航空会社では「私たちの強みは個々人の特徴があること、人間味があること」と教えられています。これは個人の判断で「いいサービス」を提供できる裁量があることを意味しています。ですから、細かいルールはありません。研修期間も2週間と短く、細かい部分は現場で先輩に聞きながら教わりました。

原田 個性を追求するフランスらしいスタイルですね。

横山 はい。制服も日系の航空会社だと統一ですが、フランスの航空会社はバラバラです。いくつか種類があり、ワンピース、ツーピース、パンツスタイルなど複数のバリエーションから選択することができるんです。

原田 その日の気分で制服を選んでいいのですか?

横山 はい。好きなものを選べます。

原田 規律の中にも、自分で選択できる部分があることで、個性が育まれていくのですね。

横山 そうですね。こうしたスタイルは、フランス人の国民性に合っていると私は思います。彼らは、聞かれるのが好きで、教えるのも好きなんです。それに、さまざまな国から人が集まっていますから、個を尊重し合い、認め合う文化がそこにはしっかりと根付いています。だから自分の意見を誰もがはっきりと主張します。

原田 さまざまな人種が集まっているからこそ、文化の違いを認め合い、協調していくことが自然と当たり前になっているのでしょうね。

横山 そうだと思います。

Lesson.2

身の回りにあるものを上手に活用するのがフランス流!

原田同僚の方を始め、フランスの方のお宅に伺う機会も多いと思うのですが、インテリアにも“フランスらしさ”を感じることはありますか?

横山 そうですね。フランス人の家は、インテリアもやはり「多様性」があります。家によってトラディショナルだったり、モダンだったり。そこにさらに、自分の好きな小物などをプラスしているのですが、それが和物だったりしても、各々のスタイルの中でしっかりとまとまっている印象があります。

原田 トレンドにはあまり左右されないのでしょうか?

横山 もちろんトレンドはありますが、「流行に流される」ということはなく、それぞれのスタイルの中に上手に取り入れています。また、身の回りにあるものを使うのも上手ですね。たとえば、外で拾った木の枝にアクセサリーをかけて「見せる収納」にしている人もいました。

原田 自然を使ったアイデア、素敵ですね!

横山 フレーバーティーを器に入れて芳香剤にしている人も印象に残っています。また、フランス人は身近な人や家族の写真を飾るのが好きな人が多いので、フレームは買わずに、ナチュラルな紐を壁にピン止めし、木製の洗濯バサミで写真を挟んで飾っている人もいましたね。

原田 そういう自然な演出力がしっかりと身についているんですね。

横山 生き方だけでなく、フランスでは、部屋にも“自分らしさ”がしっかりと息づいています。それはつまり、大塚家具さんが提唱している「幸せのレイアウト」を、それぞれがしっかり描けているからだと思います。

原田 身の回りにあるものを上手に活用しながらも、しっかりと個性を表現していくのがフランス流なのですね。

横山 はい。

Lesson.3

「フォーカルポイント」で季節感を演出!

原田 今回のテーマは「CAのお部屋公開」なのですが、横山さんは、お部屋にどんなこだわりをお持ちですか?

横山 私がフランス滞在中に住んでいるのは、ワンルームのアパルトマン(賃貸住宅)です。家具付きの部屋だったこともあり、いまは小物を中心に、自分らしさを演出するようにしています。

原田 小物を使ってどんな演出をされているのですか?

横山 たとえば日本で買った着物の帯をインテリアに使ったり、秋には枯れ葉をテーブルに飾ったりしています。他にも部屋の中でも季節感を感じられるように、3月にはひな人形、12月にはクリスマスツリーなど、日仏両方の行事を取り入れた飾りを楽しんでいます。窓と窓の間に物を置けるスペースがあるのですが、そこを私は「飾り付けの空間」にしていて、そこに季節ごとの飾りを施しています。

原田 それは専門的にいうと、「フォーカルポイント」といって、部屋の中に「見せ場」を作りだすインテリアのテクニックのひとつなんです。

横山 えっ、そうなんですか!

原田 はい。入口の正面や視線の行きやすい場所を素敵に飾ることで、お部屋全体が洗練されて見えるんです。自然とそれをやられているなんて、さすがですね。他にも工夫されていることはありますか?

横山 私はCAと並行して「すしデコロール(飾り巻き寿司)」の先生をしていますので、この部屋を自宅兼事務所としても使っているんです。とはいえ、物であふれ、居心地が悪くなることは避けたいので、色調はなるべく統一したり、仕事道具はまとめて置いて、使わないときは目隠しをすることで、スッキリとした印象の空間になるように心掛けています。また、寝る前には間接照明を利用することで、安らげるように工夫しています。

原田 なるほど。ちなみに、ワンルームの間取りだと、お客さまを招いた際に、ベッドが見えてしまったりすると思うのですが、その辺りは何か工夫されていますか?

横山 はい。背の高い観葉植物を部屋の中で育てているのですが、ベッドの前に置くことで、パーテーションの代わりにしています。

原田 それはおしゃれなアイデアですね。

横山 ありがとうございます。それに室内に緑があると、心も穏やかになりますから。

原田 物の置き方や見せ方で、部屋の印象は変わります。横山さんは身の回りにあるものを上手く使いながら、それを上手に実践されていますね。

横山 ありがとうございます。

Lesson.4

フランス流の家具の選び方を知り、家具への興味も高まった!

原田 横山さんは、フランス流のアレンジ術を、自然とインテリアの中に取り入れている印象があるのですが、それはどのように身に付けたのですか?

横山 フランス人は、気軽に人を自宅に招きますから、そこで見かけたアイデアからヒントを得て、自分なりに取り入れていきました。

原田 フランス流を取り入れたことで、何か変化はありましたか?

横山 フランス人は、生活導線を考えて家具を配置したり、家具ひとつ買うにしても、来客があったときのことまで考えて選ぶそうなんです。そうしたこだわりが、居心地のいい空間作りにつながっているのだと思うと、家具への興味も高まりましたし、自然と家にいる時間も長くなりました。

原田 来客があった時のお話でいうと、たとえばどんなこだわりがありましたか?

横山 少人数だったり、親しい間柄ではフランス人も家に上がるときに靴を脱いで家に上がることがあるので、そこで靴の脱ぎ履きができるように椅子を置いているお宅がありました。コートを脱ぐときにバッグなんかも置けますし、おしゃれな椅子だと玄関のアクセントにもなるんですよね。

原田 そうですね。便利なだけじゃなくて、素敵な椅子が一脚あるだけで、玄関にとどまらず、家全体の印象も良くなりますよね。

横山 そうなんです。また、日常にあるものを使って、テーブルコーディネートするようになったことも、フランス流の影響を受けたからです。いつかはフランスで家を購入したいと考えているのですが、そのときには、多少、値段が高くても、温かみのある丈夫でしっかりとした木製の家具を置きたいと思っているんです。

原田 木の温もりを感じて暮らす。とてもいいですね。

横山 将来的に家を購入したら、そこで「すしデコロール」の教室もやりたいと思っています。なので、安らげる空間でありつつも、機能的で効率的な部屋であることを今後も重視したいと思っています。

原田 高校時代に夢見た未来に向かって歩んで来られて、現在はそれを叶えてなお、さらに前に進もうとする。横山さんの生き方は、とても格好いいですね。本日は素敵なお話をたくさん聞かせていただき、本当にありがとうございました。

横山 こちらこそ、とても楽しかったです。ありがとうございました。

Guest

横山綾乃(よこやま・あやの)

Profile

横山綾乃(よこやま・あやの)

大学卒業後、日系航空会社の国際線乗務員として勤務。現在はフランス系航空会社に転職し、勤続12年目のベテランCAとして活躍中。その傍ら、日本の美しい食文化「飾り巻き寿司」を海外に伝えたいとフランスで起業。日仏で、教室やイベントなどの活動を行っている。趣味は、旅行や街散策、ワインとチーズ、ホームパーティー、自転車、ダイビングなど多岐に渡る。

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次回は、ドイツを拠点に活動するCAが教える
「パーティー事情」です。

知られざる新たなドイツの一面や魅力、
さらにはドイツ流のクリスマスのコーディネートや過ごし方についてご紹介します!
お楽しみに!

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