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桐箪笥

世代を越えて受継がれる逸品「桐箪笥」

「桐」は日本において高貴な樹木とされ、皇室の紋章にも使用されるほど格式のある存在です。また、海を越えた中国では幸福を運ぶ鳥「鳳凰」がとまる嘉木として縁起のよいものとされています。手触りが柔らかく、他の天然木と比較して軽量で、調湿性にも優れるなど特有の性質から、日本では貴重なものを保存するための箱や箪笥などの素材として幅広く愛用され、日本人は古来より「桐」に特別な想いを抱いてきました。
日本では、女の子が誕生するとその家の周辺に桐を植え、結婚が近くなると成長したその桐を使って桐箪笥を造り、嫁ぐ娘の幸せを願い嫁入り道具としてあつらえるという風習がありました。この風習により全国各地で桐箪笥が造られるようになったと言われています。

大切な衣類を守る「桐」

桐はゴマノハクサ科と呼ばれる広葉樹のひとつ。軽くて加工が容易であり、狂いが少ないことから優秀な素材として知られ、古来より重宝されています。
桐は木肌が空気を吸い込み、音響を良くする性質を持っていることから、中国では古くから琵琶や琴などの楽器の材料として使われてきました。この文化が日本へ入ってきたのは奈良時代のことでした。当時の日本人は高温多湿の日本の気候風土と、吸湿性、通気性に優れた桐を結びつけ、衣類や陶磁器、刀剣などを収納する箱に使用し始め、江戸時代の寛文期には現在の桐箪笥の原型が作られ始めたと言われています。

桐箪笥の使い方

昔と違って家全体の気密性が高くなった現代、特にマンションなどでは暖房で温められた冬の室内の結露も大きな問題です。加湿器の使用などによってさらに湿度が高まる部屋では真冬であってもカビの心配が絶えません。そんな今の時代だからこそ桐箪笥の機能性が活かされます。
和服をはじめとする衣類はもちろんのこと、掛け軸や陶磁器、刀剣やカメラなど様々なものを保護、保存できます。また、お気に入りの洋服やジュエリー、バッグ、アクセサリー類など、桐箪笥は大切なものの保管に最適です。

着物を守る桐箪笥

着物を収納するのに最適と言われる桐箪笥。しかしながら、どんなに良い桐箪笥でも使い方や着物のしまい方を間違えると、衣類を駄目にしてしまう場合があります。注意点は、1度着た着物はそのまま桐箪笥にしまわないこと。衣桁などでしっかりと2時間以上干して湿気をとってから、必ず「たとう紙」に入れてしまうことが重要です。また、年に2回は湿気の少ない日に虫干しをすることで、大事な着物をしっかりと保存することが可能になります。

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桐箪笥について

最適な湿度を保つ「調湿性」

桐材の最大の魅力は調湿性に優れていること。桐は、湿度が高くなった時に湿気を吸収し膨張することで、機密性を高め内部の湿度を一定に保ちます。また、乾燥時期には桐材の持つ湿気を放出し、縮小することで通気性を高めます。尚、桐箪笥は、この特性により梅雨の時期のように湿度の高い時期に引出しが開き難くなる場合があります。

防火材としても優秀な「耐火性」

桐は他の木材と比較して熱伝導率が極めて低く、火事にあった場合でも表面が焦げてから中に火が回るまで時間がかかります。この特性から、桐材は優秀な防火材として知られ、金庫の内部材に使用されることもあります。

桐特有の成分による「防虫効果」

桐素材の特徴として、防虫効果のある「パウロニン」や「セサミン」などが含まれていることが挙げられます。その為、虫を寄せ付けにくく、中にしまった衣類や宝石類などをしっかりと守ってくれます。

親から子へと受継がれる「耐久性」

長持ちして、末永く使えるのも桐箪笥の大きな魅力の一つ。親から子へ、そして孫へと代々受継がれることが多く、定期的なメンテナンスや「洗い直し」をすることで末永くお使いいただけます。

※洗い直し・・・桐箪笥は、長年使っていく間に、日の光やチリ・埃によって汚れていきますが、洗い直しをすることで、まるで新品のように蘇ります。「洗い直し」という言葉通り、お湯で汚れを落とし、表面に鉋がけをして塗装を施します。尚、「洗い直し」や「メンテナンス」に関しては専門の業者にご依頼ください。

主な桐箪笥

府中桐箪笥(広島県)

江戸時代中期、寺社建立のために集められた宮大工が石州街道の宿場町に住み着き、箱物などを作り始めたのが始まりです。今から300年ほどの前の元禄年間に、大阪から府中に戻った大工が関西風の桐箪笥の製法を伝えたといわれています。江戸末期から明治にかけて、農家の副業として嫁入り箪笥が製造されるようになりました。府中は桐箪笥だけにとどまらず、彫刻、建具など木工家具が古くから栄え、現在では高級家具の産地として全国に名をはせています。

加茂桐箪笥(新潟県)

西暦794年、桓武天皇の時代に京都の賀茂神社の神領に京を遷都し、その替地として京都に似た地勢を全国36ヶ所選び、賀茂神社の分霊を神社に合祀して呼称を「賀茂(加茂)」としてきました。その一つが新潟の加茂で、北越の小京都として親しまれてきました。天明年間に一人の大工が杉材で箪笥を作ったのが加茂箪笥の始まりとされています。信濃川、阿賀野川に注ぐ交通の要所で、材木の集散地としても栄えました。昭和の初めに「やしゃ塗装」が開発されて現在の桐箪笥のデザインが完成したといわれています。加茂では全国の桐箪笥の70%を生産し、北海道から九州にまで広く出荷されていて、昭和51年に伝統的工芸品の指定を受けています。

春日部桐箪笥(埼玉県)

江戸時代初期、日光東照宮を作るために集まった宮大工が、日光街道の宿場町である春日部に住み着き、地元の桐の木を使って指物や小物などを作り始めたものが始まりといわれています。また、江戸時代の中頃の文献に、10人ほどの業者が記されていることや、明和9年の裏書のある桐箪笥が現存することなどから、すでに産地の形が整い始めたといわれています。江戸に近いという立地と運搬に便利な河川(江戸川や利根川)に恵まれ、後に桐箪笥の一大産地となり、昭和54年に伝統的工芸品の指定を受けています。

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